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本醸造ってなに?意外と知らない醤油の豆知識★レシピ「じゃがいもの茶巾絞り」

2020.09.14

「醤油」は日本人の食卓に欠かせない調味料ですが、「本醸造」「丸大豆」「長期熟成」など、パッケージを見るとさまざまなことが書かれていますよね。

また「濃口」「淡口」「再仕込み」など種類もたくさんありますが、これらの違いについて、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。

今回は、醤油の作り方や選び方、種類による味の違いなどをご紹介します。

 

 原材料はシンプル、だけど複雑な美味しさ



醤油の原料の主役は、大豆、小麦、食塩の3つです。

(1) 大豆
大豆の主成分であるたんぱく質が、麹菌のたんぱく分解酵素(プロテアーゼ)により分解され、醤油のうま味成分であるアミノ酸を生み出します。丸のままの大豆を使う場合と、大豆から油を抜き取った脱脂加工大豆を使う場合があります。

(2) 小麦
小麦の主成分であるデンプンが麹菌の酵素(アミラーゼ)の働きでブドウ糖に変わり、甘みを生み出します。さらにブドウ糖が乳酸菌により乳酸や酢酸などの有機酸に変化し、塩辛さを和らげ、醤油の味を引き締めます。ブドウ糖の一部は酵母の働きでアルコールに変わり、香りを高める働きをします。

(3) 食塩
食塩は仕込みの段階で水に溶かして加えられ、塩味のもとになります。また、腐敗菌などの有害菌を抑え、乳酸菌・酵母といった有用な微生物を緩やかに働かせるために重要な役割を担っています。

さらに、これら3つ以外で重要な役割を担っているのが「麹菌」です。(1)(2)のように、麹菌の生み出す酵素により、うま味や甘みが作られます。

 

 醤油の作り方 ~本醸造ってなに?



「本醸造」とは、昔ながらの伝統的な醤油の製造方法のこと。JASでは製造方法によって醤油を3つに分類しています。(本醸造方式/混合醸造方式/混合方式)


<濃口醤油の「本醸造方式」>

  1. 大豆を蒸す、小麦を炒る・砕く。
     
  2. “1”を混ぜて種麹(麹菌を培養したもの)を加える。
     
  3. 麹室で約45時間かけて醤油麹を作る。
     
  4. 醤油麹と食塩水を混ぜて諸味(もろみ)を仕込む。
     
  5. 諸味をゆっくりと発酵・熟成させる。(最低でも半年以上、熟成が1年以上のものは「長期熟成」と表示できる。)

    発酵:酵素がたんぱく質をアミノ酸に、デンプンを糖分に分解します。次に乳酸菌が酸味をつくり、その後に酵母が香りの成分を作ります。
    熟成:酵母の発酵が終わると熟成期に入ります。香味成分や色の成分がさらに作り出され、諸味はどんどん味が良くなっていきます。
     
  6. 布に入れて3日ほどかけてゆっくりと圧搾します。
     
  7. 搾った生揚(きあげ)醤油に熱を加えます(火入れ)。
    微生物を失活させ、色を調えて醤油独特の香りづけをします。
     
  8. 充填して完成。


<濃口醤油の「混合醸造方式」>
本醸造の「諸味」に、大豆たんぱく質を塩酸分解してつくったアミノ酸液を加え、熟成させます。

<濃口醤油の「混合方式」>
「生揚醤油」(本醸造または混合醸造)に、大豆のたんぱく質を塩酸分解してつくったアミノ酸液を加えてつくります。

 

醤油の種類

 濃口醤油(こいくちしょうゆ) 
一般的な醤油で、レシピなどで「醤油」といえばこれ。幅広い料理に使われています。原材料は大豆にほぼ同量の小麦を使用します。

 淡口醤油(うすくちしょうゆ) 
色の薄い醤油で、塩分は濃口醤油より1割ほど高め。素材の持ち味を生かす炊き合わせや煮物などの調理に最適です。原材料は大豆にほぼ同量の小麦、少量の米を使用します。

 溜醤油(たまりしょうゆ) 
とろみと濃厚なうま味、独特な香りが特徴の醤油です。刺身や漬け、照り焼きなど、色つや良く仕上げたいときに人気です。原材料は大豆のみを使用します。(少量の小麦を加える場合もあります。)

 再仕込醤油(さいしこみしょうゆ) 
出来上がった生揚醤油に、再び麹を加えて仕込んだ醤油です。色、味、香りともに濃厚で甘みがあります。寿司、刺身の漬け醤油として、また隠し味として使われます。

 白醤油(しろしょうゆ) 
淡口醤油よりもさらに薄い琥珀色の醤油です。熟成時間が短く、味は淡泊ながら甘みが強く、独特の香りがあります。色の薄さや香りを生かして、お吸い物や茶わん蒸し、卵焼きなどに使われます。原材料はごく少量の大豆と、小麦を使用します。

 

「丸大豆」と「脱脂加工大豆」、醤油の味の違いは?

「丸大豆」を使用した昔ながらの醤油は、上品な甘みを持つ成分が多く、重厚な風味とまろやかな香りが特徴です。

「脱脂加工大豆」を使用した醤油は、うま味成分になるたんぱく質の比率が高いため、うま味が強い醤油になります。シャープな風味とキレのある香りが特徴です。

大豆をまるごと使用した醤油に限り「丸大豆」使用とパッケージに表示することができます。原材料に少しでも脱脂加工大豆を使用すると、「丸大豆」の用語や、丸のままの大豆の絵・写真をパッケージや広告に使用することはできません。

ただし、ラベルの原材料名では一般的な呼び名を書くことが規則で決まっているため「大豆」と表記されます。

 

醤油に使用される食品添加物

醤油に使われる食品添加物は、調味料、甘味料、着色料、保存料などがあります。例えば、酵母の一種である白カビの発生を防ぐためにアルコールを加えたり、甘い醤油が好まれる地域で甘味料を加えたり、色の調整のためにからめる色素を加えたりします。

もちろん、添加物をまったく使わないものも数多くあります。

気になる方は、選ぶ際にラベルを見てみましょう。

 

醤油を使ったさまざまな調味料

「だし醤油」や「白だし」などは、醤油をベースにうま味成分を加えた醤油加工品です。醤油加工調味料は、簡単手軽に美味しい料理に仕上がる便利な存在です。

【だし入り醤油】
かつお節、昆布などのうま味成分を合わせた調味料。
★オススメ「エコロオリジナルだし醤油」
厳選した鰹と昆布の旨さを利かせ、木桶仕込み・国産丸大豆を100%使った醤油とブレンドした、上品でふくよかな味と香りの本格だし醤油です。

【つゆ類】
みりん、砂糖、だし、うま味調味料などを加えたもの。めんつゆ、天つゆなど。

【ポン酢醤油】
醸造酢や柑橘類の果汁を加えたもの。

【たれ類】
風味原料や糖類、香辛料などを合わせたもの。蒲焼き、すき焼きのたれなど。

【醤油ドレッシング】
醤油を加えて和風の味に仕立てたドレッシング。



醤油の種類や特徴、醤油を使った調味料などを覚えておくと、料理のレベルや幅や広がりそうですね。

ぜひ醤油を選ぶ際の参考にしてみてください。



それでは、今回のレシピをご紹介します。
 

■じゃがいもの茶巾絞り


(1人分)エネルギー85kcal、塩分1.7g

材料(4人分)-

  • じゃがいも:中2個(正味240g)
    ———–
    【A】
  • 水:3カップ
  • だし醤油:小さじ2
    ———–
    【B】
  • 酒:大さじ1
  • うすくち醤油:大さじ1と1/2
  • 塩:少々
    ———–
  • グリンピース:大さじ2
  • にんじん:20g
  • えのきたけ:1/2パック
  • サラダ油:小さじ2


作り方

  1. じゃがいもは皮をむいて鍋に入れ、【A】を加えて軟らかく煮ます。
  2. “1”に【B】を加え煮込み、じゃがいもを取り出し、熱いうちにつぶして12等分します。煮汁はとっておきます。
  3. 固く絞ったさらしの茶巾を手の平に広げて、”2″を1個ずつ取り、茶巾を絞るようにねじって茶巾絞りをつくります。
  4. にんじんは2㎝の長さの千切り、えのきたけは2㎝位に切り、サラダ油で炒めます。”2″の煮汁を加え、煮立ったら茹でたグリンピースを加え、片栗粉の水溶きを加え、とろみをつけます。
  5. 器に”3″の茶巾を盛り、”4″のあんをかけます。


ポイント
茶巾で作ると絞りやすくキレイですが、ラップでも代用できます。
じゃがいものビタミンCは、損失しにくいのが特徴です。
素材の持ち味を活かすため、うすくち醤油を使っています。

玄米酵素 管理栄養士メルマガより引用

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