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日本人には、やっぱり和食!その理由は?
昨日の食事を思い出してみてください。
何を食べましたか?
それは、身体のことを考えたものでしたか?
今はおいしいものや手軽に食べられるものが溢れ、「十分に食べている」と満足してしまいがちですが、“お腹を満たすこと”と“身体が必要としているものをとること”は違います。
食事の基本は、必要な栄養をバランスよく。それを叶えてくれるのが、日本人に最適な食事「和食」です。
今回は、日本人に和食がよい理由をご紹介します。
日本人の体質から考える
わたしたち日本人の体質は、昔から食べられてきた食事に合うように作られてきました。
食後に血糖値を下げる「インスリン」というホルモンからみてみましょう。
農耕民族で穀物や野菜を中心とした食事をしてきた日本人は、インスリンをそれほど必要とせず、それに順応した体質になっていきました。
対して、狩猟民族である欧米人は、肉類や脂肪分が多く、糖質の少ない食事をしてきたため、少ない糖質を効率よく蓄積するために、多量のインスリンを分泌できる体質になったと考えられます。
下記のグラフからも、欧米人よりも日本人はインスリン分泌量が少ないことがわかります。
そんな日本人が脂肪分の多い欧米型の食事を続けると、内臓脂肪がたまり、脂肪細胞からインスリンの働きを悪くする物質が分泌されます。
インスリン分泌が少ないうえに、効きまで悪くなると、高血糖状態が続いて血管などに悪影響を与えることにつながります。
和食がよい5つの理由
1.“一汁三菜”で、栄養素や食物繊維をバランスよくとれる
主食のご飯からは炭水化物、主菜からはたんぱく質と脂質、副菜からはビタミンやミネラル、食物繊維がとれる、理想的なスタイルです。
2.腸内環境を整える発酵食品が多い
味噌、醤油、酢、みりんといった調味料、漬け物、納豆など、腸内環境を整える発酵食品をとることができます。
3.多様で栄養価の高い旬のものをとれる
季節に合わせた多様な食材が用いられ、栄養価が高い旬のものをとり入れることができます。
4. 蒸す、焼く、煮るなどの調理法で、油分を抑えられる
和食は基本的に、素材の味わいを生かし、油脂を使用しないヘルシーな調理法が多いのが特徴です。
5.だしの旨味で塩分を抑えられる
だしは素材の持ち味を引き出してくれ、さらにうま味成分が含まれるため、少ない塩分でも風味豊かな味わいに仕上げてくれます。
*東北大学で行われた臨床研究の結果、上記1~5の条件に当てはまる1975年ごろの和食をとることは、健康維持に役立つことが示されています。(参考) 日本栄養士会雑誌 60巻(2017)11号 p.625-632
和食で育む、健康と豊かな感性
「和食」という食文化がユネスコ無形文化遺産に登録された理由は、栄養バランスに優れているだけではありません。
正月など年中行事に旬の食材を使った料理をいただいたり、自然の美しさや四季を表現して楽しむといった、自然の恵みと季節を大切にする文化的な習慣が評価されたためです。
このように、和食は日本人の健康と、豊かな感性の両方を作り上げてきたのです。
日本人の“和食離れ”が進んでいるいま、私たちが改めて和食について見直し、次世代に守り伝えていきたいですね。